シンさんは愛妻家
部屋に戻ってイブキをソファーに座らせ、お茶を淹れ、

イブキの前に置いてから隣に座り、ゆっくり腕を回して抱きしめる。

イブキは何も言わずに、ポロポロ涙をこぼした。


「奥さん、今日は結婚記念日だよ。
笑って見せて」

「…早とちりしてごめんなさい」

「僕はゆっくり新婚生活ができるなって楽しみになったよ」

「…はい…」

「イブキは環境が変わって大変だった。
女の子の身体はデリケートなんだよ。
大事にしないとね。」

「…赤ちゃんが…来てくれる体になりたいです…」

「イブキ、赤ん坊は授かりものだ。
欲しくても、僕らのところに来ない時もあるけど…
僕は一生、イブキと一緒にいたい。
これから、僕達は夫婦で家族だ。
…僕の隣にいなさい」

「はい。
ずっと隣にいます。」

「よろしい」

と僕が少し笑うと、イブキも柔らかい笑顔を見せた。

僕達はゆっくり思いのこもったくちづけを交わす。



僕の目の端にピンと立てたタビィの尻尾が見えた。

すぐに邪魔されそうだな。

と思いながらイブキの唇を味わう。

そういえば、寿司屋の出前も届く時間だ。

僕はイロイロお預けになりそうだと少し残念だ。


まあいい、時間はたっぷりある。

今日はイブキが怒るくらいキスマークをつけようと

心に誓ってイブキの柔らかい身体を抱きしめた。





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