真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
朝から容赦なく照りつける太陽、密集した建物、焼け付くアスファルト......。

都会の夏は、とにかく24時間中暑い。

彼にLINEを送るための時間を確保したくて。急ぎ足で駅まで向かっていた私は気がつけば早足が小走りに変わっていて、会社に着く前に既に汗ばんでいた。

これから満員電車の洗礼が待ち構えているとを思うと。このジメッとした感覚に酷く嫌気がさしたが、その不快感は全て好きな男(ひと)との時間の代償だと思えば安いもの。

こうして私は朝から汗をかきながら。早く駅に着いて、いつもより一本早い電車に飛び乗ることに成功した。

”よしっ!”

思わずガッツポーズをした理由は。軽く早朝マラソンした感じだった先ほどの駅までの小走りのおかげで、今乗っている電車は間一髪、満員電車の時間帯からそれて、車内には椅子に座れるほどの余裕があったからだ。

これはまさしく神の思し召しだ。

とりあえず座って落ち着いて、彼へ送るラブメッセージを考えろということに違いないーー。

スムーズに降りられるように、ドアから近い場所に座って考える。

さて、彼に何て送ろうか?

”おはよう”

”おはようございます”

う〜ん......、どっちが正解だろう??

こういう時に、ふと思う。

彼と私が自然発生的な出会いをしていたら、こんなに些細な問題で悩まなかったんだろうなぁ。と......。

結婚相談所のメリットは、こちらから働きかければ条件に見合う異性を紹介してもらえるところにあるけれど、その分全くの初対面の相手と恋愛、結婚を最初から視野に入れて距離を縮めていかなければいけないから難しい。

恋愛は感覚的なものが重要なのに、どうも頭で考えてしまう。

......決めた。

「おはようございます」で行こう。


会社に着いてから彼にLINEを送ろうと思っていたけど......。

どうしても気持がはやり。私はバッグから急いでスマホを取り出した。

ーー前言撤回しなきゃ。

何が、”どうも頭で考えてしまう”よ。

頭よりも気持が優先して。私、早速彼へLINEしようとしてる。

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