真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
まさか!

他の女性と交際成立!?

嫌な予感と胸騒ぎに耐えながら、私は急いで服を着て髪を乾かした。

そして、広務さんからの電話を切ってから僅か15分後ののち彼に折り返した。

アラサーの女が風呂上がり15分で身支度を完了させるなんて、なかなか出来ない。

本当はスキンケアに、たっぷりと時間を使って小一時間は、かかるところ。

だけど、今夜は緊急事態発生につきスキンケアは後回しだ。

広務さん......。

一体なんのお話......。

私はドキドキしながら発信ボタンを押した。

「もしもし」

広務さんは、すぐに電話に出てくれた。

彼は私から電話がかかってくるのを待っていたようだった。

「あ、もしもし......。お待たせしました」

「早いですね。もっと時間がかかるかと......。俺からかけ直します」

「いえっ、大丈夫です。このままお話しましょう?」

「いえ、俺が優花さんの声が聞きたくて、お疲れの所に、わがまま言って電話したんですから......。俺、かけ直します」

広務さんは律儀にも掛け直すと言ってくれて、私は彼の好意に甘えて電話を切った。

というか。

私は聞き逃さなかった。

たしかに彼は、”優花さんの声が聞きたくて”と言った.....!

< 28 / 315 >

この作品をシェア

pagetop