終わりで始まる進化論~第一部~

暫しの沈黙があったものの、アリスは否定せずに頷く。



こういう嘘をつきそうにない性格からも、羽柴とは合わなかったのではないかとナツキも予想していた。




「結局、あいつが何考えてるかなんて今でも分からない事の方が多いわ。そう言うの、振り回されてるみたいで嫌なのよ。絶対あたし達の事も頼ってなさそうな感じとかも腹立つし。昔から可愛いげがないのよね……羽柴(あいつ)もシノミヤも」





「分かる気がします。て言うか、春日井さんも羽柴さんやシノミヤの事は普通に呼ぶんですね」



「どう言う意味?」



「え、いや、俺ずっと二人は偽名だと思ってて」



明らかに偉人の名前を名乗る羽柴や、クラスメイトを装おうとしていたシノミヤは組織内では他の呼び名があるだろうと思っていたが、当たり前のようにナツキの知ってる呼び名で呼んでいる。





「偽名ね。まあ、偽名だったとしても別に問題ないんじゃない?あたしにとって、あいつらは羽柴にシノミヤだもの」





ナツキは返答に少し困って暫く黙り込んだ。相手の素性を知らないのは、当たり前なのだろうか?




「キキキキキキキキ!」


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