野獣の食事

響き渡る騒音2

バタンッ!

その時、先程出て行った男がまた入ってきた。

血相かかえた顔で、目は血走っている、手には先程の割れたビール瓶に加え、どこから持ってきたのかゴルフクラブも持っている。

「フー、フー、フー!」

男は相当興奮しているようだ。

この様子からして、ほぼ間違いなく、晃の事がバレたのだろう。

そんな状況でも、晃は一人余裕な表情だ。

「おー、心の友よ。一体どうしたんだい?見つかったのかい伊藤晃が?」

あくまでも、晃はシラを切る。

ニヤニヤと笑う晃。

とうとう、男は持っているゴルフクラブで、晃に対して殴り掛かってきた。

サッと避ける晃。

「どうしたんだ!一体」

白々しく問いただす晃。晃は凄い男だ。

「お前が伊藤晃だったらしいなー!この店から出て、知り合いの女から写メ見せてもらったぞ!」

やはりバレていた。

< 11 / 57 >

この作品をシェア

pagetop