野獣の食事

追跡

「…そーいや…」

カウンターの前で、暇を持て余したマスターが口を開いた。

今まで置物のように、動かなかったマスターがようやく、口を開いた。

店内に静寂が拡がり、固唾を飲んでマスターの話しを待つ二人。



………

「…続きはどうした?」

思わぬ静寂により、弘がたまらずつっこむ!

マスターは、話しを言いかけたまま、動きを止めていた!

弘のツッコミで、動き始める店内。

「…そーいや、聞いたことがあるよ。」

「…なにを?」

静寂は勘弁と、弘が直ぐさま相槌を入れる。

「晃ちゃんの、あまりのモテぶりに頭きた集団が、晃ちゃん狙ってるらしいよー…。なんか、隣街のレディースらしいけど、晃ちゃんの女ったらしに頭きたってー。…うそだと思ってたんだけどねー。」

グラスを見つめる晃の目が、鋭く、強く、輝いた…。

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