男嫌いな僕と新撰組。
男嫌いな僕と一矢の頼みごと。
冷たい風が頰を叩き、髪が揺れる。
冬はきらいだ、なんて独り言を呟いてから溜息を吐いた。
とひとりでぼーっとしていると
「ねえねえーキミさ、オレらと今から遊ばねぇ?キミかわいいし、気に入ったー」
肩を組まれ、話しかけられた。
ナンパというやつだろう。あー、うざい。うざいったらありゃしない。
『そういうの、やめてくれませんか』
ナンパってきらいなんだよね。言ったでしょ?うざいって。
「えー、なんでー?いいじゃん、いいじゃん!ね?オレらといたら楽しくなるってー」
なに、こいつらしつこい。てか、ふつーにくどい。
ほんとむり。
『いや、いいんで』
「は?調子のるなよっ!」
ぐいっと僕の身体を引き寄せ、歩き出そうとするナンパ野郎。
調子のってないし。のってるのは、おまえらだろ。
…うん、まずは
『あの僕、おとこなんですけど』
「ーへっ?!」
もう片方の腕を使って、相手の腕を掴み、足を止めさせると勘違いしてるだろう部分を指摘する。
それでもきょとんとさせるのでもう一度繰り返す。
『僕、お、と、こ、なんだけど?』
耳悪いの?きみ。
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