男嫌いな僕と新撰組。
男嫌いな僕と幽霊の未練。

『…っ』


目を開けた彼と目が合うと分かる。

瞳の奥にある色が変わったことが…


「おまえが 河合 流唯(かわい るい) か?」

見た目は変わらないはずなんだけど、なんかイケメンに感じる

そして、心成しか声もいつもより低く感じる…

幽霊に乗り移られたのは確かなはずだから、今の彼はその幽霊なのだろう

幽霊さんきっと、かなりのイケメンさんなんだね

オーラとかがイケメンだもんね


……はあ…いいな、かっこいいとか…

僕ももっと背高かったら……



「大丈夫か?」


…………あ


『えと、すみません。』


言っておくけど、僕も敬語くらいは使うからね?

だから、その驚いた顔するのやめてくれない?幽霊さん


「だ、大丈夫だ。」


……はあ……。


『あの、幽霊さんですか?』


「ああ。」


不思議…。……なんか胡散臭いけど…

そして、幽霊さん返事が短い…そこがかっこいいんだけど


『で、未練っていうのは?』


「そうだな。ここじゃない所で良いだろうか?ここは人気が多く、騒がしくてあんまり好まない」


『そうですね。じゃあ、神社でも行きますか』


「神社か…ああ、あそこはいい」


…………


やばい、この人…やばい…イケメンすぎる

少し微笑んだだけでこんなにも破壊力があるとは…

ずっと無表情だからなあ…

とそういえば、まだだった。


『あ、あの幽霊さんの名前は?』


「ああ…俺は













斉藤一だ」



そう言ったのは、斉藤 一矢(かずや)の体の中にいる幽霊さんこと斉藤一だった。
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