年下彼氏
「何を知ってるっていうの?」
「美奈子が今井先輩のことをずっと好きだったこと。告白しようとした時には既に彼女がいたこと。泣きながら手紙をゴミ捨て場に捨てたこと、とか?」
なんで知ってるんだ、なんて顔はもちろんしない。
正直、驚いたけど。
でも、この場を知らないふりで切り抜けられる自信がある。
年下相手なら余裕だ。
「私じゃないでしょ。そんな覚えないし」
「・・・まぁ、別にいいけど。そんなことよりさ、美奈子が好きなんだけど」
―――まだ言うか。
にこにこと亮介が笑う。
ふーん、これが可愛いって言われる笑顔ねぇ。