年下彼氏



――美奈子がいた。

まともに顔を合わせなくなってから二週間。
久々に見た美奈子は真紀さんと一緒だった。
変わらない様子にほっとする。

思えば、美奈子は三年で受験もある。
付きまとって邪魔ばかりしていいわけがなかった。

ちょうど二週間前から、三年の授業が少なくなった。
午前が終わればすぐに帰るスケジュールの三年と、みっちり午後まで授業のある二年とじゃ、すれ違いになるのも当たり前だった。

勉強の邪魔をしちゃいけない、授業のスケジュールが違うんだから会えないのも仕方ない。
そう自分に言い訳をして、まともに顔を合わせずにいた。

正直、色んなことを知られた後だと、美奈子の気持ちを聞くことが怖い。
せっかくお互いに向き合えそうだったからこそ、今の関係が色んなことを知った後でどう変わったのか、聞くことが怖かった。



「ばっかじゃない!?」


鬱々とした思考を止まらせるのに絶大な効果のある罵声が、すぐ後ろから飛んできた。


「里奈、ちゃん…?」




< 233 / 244 >

この作品をシェア

pagetop