年下彼氏
「冷たいな、キスした仲なのに」
「キスしたぐらいでそんなこと言われてもね」
「ふーん。俺の想像では“キスは好きな人としたいのに!”とか言って涙なんかためちゃう先輩が想像できたんだけど」
亮介が少しだけ驚いたように目を丸くする。
――心外だ。キスは初めてじゃない。
もちろんキス以上もそれなりに経験済み。
もともと私は、キスや抱き合うことを大切だと思っている人間じゃない。
生理的に無理じゃなければ誰とだって出来ると思う。
ただ、亮介にキスをされる理由が全く思い当たらないから驚いたことは確かだ。