年下彼氏
「じゃあ、俺と屋上で見るか?」
・・・なんで、男と二人で見なきゃなんないんだよ。
夏、夜、花火、の甘酸っぱい3セットを男と一緒じゃあまりにも自分が不敏だ・・・。
半ばげんなりして沢藤さんを見れば、にやりと笑って一言付け加えた。
「俺と花火を見ると、もれなく佐藤と新堂が付いてくるけど?どーする?」
「・・・行きます」
即答で答えた俺に、沢藤さんは笑いながら屋上のカギを渡した。
「じゃあそれ持って明日7時に屋上の扉前に集合」
「・・・はい」
この際、なんで屋上のカギを持ってるのかとか、なんで美奈子と真紀さんを誘えたのかとか、細かいことはどーでもいい。
とりあえず、高2の甘酸っぱいはずの青春が、しょっぱいものにならなくて良かった。