年下彼氏


「じゃあ、俺と屋上で見るか?」


・・・なんで、男と二人で見なきゃなんないんだよ。


夏、夜、花火、の甘酸っぱい3セットを男と一緒じゃあまりにも自分が不敏だ・・・。

半ばげんなりして沢藤さんを見れば、にやりと笑って一言付け加えた。


「俺と花火を見ると、もれなく佐藤と新堂が付いてくるけど?どーする?」

「・・・行きます」



即答で答えた俺に、沢藤さんは笑いながら屋上のカギを渡した。


「じゃあそれ持って明日7時に屋上の扉前に集合」

「・・・はい」


この際、なんで屋上のカギを持ってるのかとか、なんで美奈子と真紀さんを誘えたのかとか、細かいことはどーでもいい。


とりあえず、高2の甘酸っぱいはずの青春が、しょっぱいものにならなくて良かった。 



< 94 / 244 >

この作品をシェア

pagetop