碧眼の副社長は愛をささやく
「レストラン着きましたよ」

「はい」

そう言って、シートベルトを外す。

ドアを開けると、エリックさんが、ドアの向こうにいて、
手を差し出してくれる。

笑顔を向け、その手を取る。

両足をそろえ、足を下す。

車から降りると、エリックさんがドアを閉めてくれた。


「ねえ、見て、美男美女~」

「お似合いだよね」


少し離れた所を歩く、2人の女性が話しているのが聞こえる。

カップルに見えるのかな?

エリックさんを見ると、彼も聞こえたのか、視線が合う。

「さあ、行きましょう、
 このホテルの最上階のレストランに予約してありますから」

「ありがとうございます」

腕を組みたい衝動にかられながらも、彼女でもないからと我慢し、
彼の少し後ろを歩く。

すると、彼が腕を私の肩に回した。

びっくりして、彼の方を見る。

「後ろではなく、横で」

そう言って、腕が肩から離れた。

こくりとうなうき、彼の横に並ぶ。

歩幅を合わせながら、レストランへ向かった。
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