碧眼の副社長は愛をささやく
スタッフにネックレスをオーダーして、店を後にする。

「綾乃には、本当に驚かされるよ」

「エリック」

「美しいだけでなく、才能もある、素晴らしい女性だよ」

「褒めすぎよ」



「綾乃・・・」

「何?」


「今度の週末、旅行でも」

「泊まりでないなら」


笑顔で言うと、エリックは、はあ、と少し残念そうな顔をする。
少しして気を取り戻して、

「なら、日帰りで、少し遠出でドライブできる所、探しておくよ」

「よろしくお願いします」


付き合いだして4か月、こんな会話を何度か交わしている、
エリックはなんとなく、夜を一緒に過ごそうと誘ってくれている。
それを、私はずっとかわし続けている。

エリックには少し申し訳ないと思いながらも、
この関係を変える気はなかった。
< 32 / 88 >

この作品をシェア

pagetop