碧眼の副社長は愛をささやく
「式場の方にお越しください」

ホテルの係の人が、呼びに来る。

「分かりました」

と、ウエディングドレスのすそを持ち上げ、立ち上がる。

母に手を引かれながら、廊下を進む。


式場の扉の前でエリックが待っていた。


「綺麗だよ、僕のプリンセス」

「ありがとう」


モーニングコートを着たエリックも、いつにも増して、恰好いい。

エリックが手を差し伸べ、母から手を放し、エリックの手を取る。


「僕の一生を君に捧げる」

エリックは真剣な目で告げ、私の手の甲にキスをする。

目に涙が浮かびながらも、化粧が落ちたら大変と我慢する。

「永遠に一緒に」

涙声でそれだけをやっと言う。

「もちろん」

式場の扉が開き、私たちに光が差し込むのを感じていた。
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