私、今日からお金持ち目指します?
――ハッキリ言おう! 富裕層のパーティーは体力勝負だった! アスリートも真っ青なほどだった。

上条勝利が言ったように、三日三晩、パーティーは続いた。
食事も半端なかった……なのに、参加者たちの、あの抜群のプロポーションはなんだ!

リアルに異世界を味わった気分だった。パーティーからすでに三日経っているというのに、心身共に受けたダメージから、未だ回復していない。

「冬夏、大丈夫? 疲れているなら、休んでもいいのよ」

厨房から出てきた母が心配そうに言う。

「うん、大丈夫。ちょっと宇宙(うちゅう)酔いしているだけだから」
「宇宙酔い? あら、上条さんと何かあったの?」

深読みした母が、瞳をキラキラさせて訊ねる。

「だから、何度も言わせないで、何もないから」

あの状態で何があるというのだ!

マスケラを着けていても、上条勝利は素性がバレバレだった。故に、何をしても注目の的で、コバンザメのように引っ付いている私にも、同じく注目は集まった。

おまけに、事もあろうに、上条勝利が私を「ステディな関係です」と紹介したものだから、益々注目を集め、私はあの三日間、針のむしろに座っているようだった。

己、上条勝利め!
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