私、今日からお金持ち目指します?
「ありがとうございます」

「それにしても」と彼女の視線が、私から上条勝利に移る。

「上条さんですよね。カッコ良かったですね」

マダム京極の言いたいことが分かったのか、彼女の隣に座る巴女史が興奮気味に言葉を発する。

「男の俺でも、アレはグッときたよ」

芦屋君が賛同の声を上げると、怜華嬢と美麗嬢が異常に反応する。

「お姫様抱っこは全女性の憧れです!」
「まして、勝利様のお姫様抱っこ!」

「それを……」と二人の鋭い眼が私に向く。

「悔しいぃぃ!」

相変わらずの二人だ……。

「仕方がないよ。上条さんは下条さんラブだから」

芦屋君が、分かっているだろ、と言うように二人を見る。

「おいおい、君たち、僕と冬夏のことは、ちょっと横に置いてだな、僕が言いたいのは、富豪を目指すなら、体のメンテは、常時、怠ってはいけないということだ」

「それは体が資本だから、ということですか?」
「相変わらず、芦屋君は察しがいいね。そういうことだよ」

「覚えているかな」と上条勝利が会場を見回す。
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