先生と双子と幼馴染と。
「ここの3部屋を自由に使ってください。ベッドのシーツと枕と布団はここにあるので、セルフでどうぞ」

「ありがとう。奏美ちゃんの部屋はどこ?」

「ここです」

「じゃあ、僕はここの部屋にしようかな」

「そこはオレだ」

「ボ、ボクもそこがいい…」


なぜ争う必要がある!?
大人しく横一列の部屋を使えばいいじゃん!


「あ、あの。それならここの3部屋でいかがでしょう……」

「じゃあ、僕は奏美ちゃんの部屋の前ね」

「オレはコイツの右隣の部屋」

「ボクは左隣の部屋にする…」

「決まりですね」


なぜか3人に囲まれてしまった……

部屋ならもっとたくさん空いてるのに。
私の部屋の周りに固まる必要なんてないはずなのに……

今日は疲れたからもう寝よう。


「何かあったらまた声をかけてください。それではおやすみなさい」

「もう寝るの?」

「明日も学校なのでもう寝ます」

「そっか……」


なんでそんなに悲しそうな顔するんだよ、先生!


「どうかされました?」

「いや、奏美ちゃんと仲良くなりたいなぁって思って、ゲームしたかったんだけど……寝るならしょうがないか」


断ったら面倒くさいことになりそうだ。


「あー、はい。やりましょう。眠気吹っ飛びました」

「ほんと!? 和希、柚希。ゲームするよー」

「オレ、疲れた」

「ボクも。明日入学式だから、早く寝ないと…」

「じゃあ、奏美ちゃんと2人でやろうっと」

「早くやるぞ」

「ボクもやる」


疲れてるんじゃなかったの!?


「奏美ちゃんの部屋でやろうか」

「いや、おかしいでしょ。リビングでやるのが普通ですよね?」

「普通にとらわれない主義だから」

「意味わかりませんよ! って、柚希くん! 勝手に入らないで!」

「わあ〜! 可愛い!」


今日一の大きな、そして可愛い声で歓声をあげた柚希くんは、きらきらと輝いて眩しかった……

< 11 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop