先生と双子と幼馴染と。

大切な人

次の日の朝、翔也は部活の集まりがあるらしく、一緒に登校できなかった。

教室に入ってすぐに翔也に「おはよう」って言ったけど、素っ気なく返された。

そんなに怒ることかな?
っていうか、どうして翔也が怒ってるんだろう?


「カナ、お弁当食べよ」

「うん」


……あれ?


「どうしたの?」

「お弁当忘れた!」


どうしてこの時間まで忘れたことに気がつかなかったの!?

お弁当販売は終わってるし、今から行ってもパンは売り切れだと思う。


「私の分けてあげるから、ね?」

「いや、でも…」

「堀江さん、呼ばれてるよ」


クラスメイトの声に廊下を見ると、見慣れた2人が立っていた。


「カナちゃん、お弁当忘れたでしょ?」

「届けてくれてありがとう!」

「渡したから早く帰るぞ」

「まだカナちゃんとお話ししたい!」

「もっと周りを気にしろ!」

「ちょっと、2人とも!」


いろんな人に見られてる……
面倒ごとに巻き込まれるのだけは嫌だ。


「さっきからうるさいんだけど」

「翔也…」

「また出た、幼馴染」

「ここ、2年の教室だからさ。1年は早く戻りなよ」


柚希くんと翔也は睨み合っていた。
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