【桃・超短編】貴方は私の王子さま
君は何故僕の名を覚えない
ダメ
わからない

この場違いに金持ちそうな、ハンサムな男の人は誰?

「君は何故、僕の名を覚えない」スマホの使いすぎで左脳が老化したのかな(笑)
笑顔でハンサムな顔がひきつっている。
なのに余裕を感じさせる。

昨夜からの残業を終え代休を確保した私は、室内着兼用の寝間着でボロアパートのドアを開け対応中。

セールスマンではない彼は、金持ちらしいブラウン系の衣服に身を包み、胸のあたりに黄色の薔薇の花束を持って立っている。

小汚ないボロアパートは、埃や雨水による錆汚れで私(もう住み慣れた)には馴染む。
けど、王子さまか?と言わんばかりのセンス良さを感じさせるハンサムな彼はアパートと同様に地味な私とはとても格差を感じさせる。
はっきりいうと「不釣り合い」を感じ、嫌な思い。

なのに彼はイライラを隠しながら優雅にこう言った。
「この特別な薔薇は食用の高級品だから、食事に混ぜるなり、浴槽にうかべるなり、ポプリにするなりして、僕と時間を共有する事」いいね。と高価な薔薇を私に押しつけ、去り際にこう言った。

「御礼はバレンタインデーに君を……」
貰うよ。
背中を向けて廊下を帰る為、去って行く彼の後姿を見て、私は大変な事に気がついた。

あ、そうか、彼は私の……



(了)


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