くるみさんの不運な一日
なのに、この会社はバカだから、エアコン倉庫に付け忘れてるし!!


「…………」

なんて事を言ってやりたいとは思ったけど、最早そんな体力なかった。


頭からタオルを被って、スッピンの顔を隠すのが精一杯だった。


「……水戸さん?」

さっさと廊下に出ようと思うあたしは、すれ違いざま声を掛けてくる天川智明に対して、「何よ」って言う気力もない。


だから無言のままで振り返って、態度で「何よ」って示したあたしに、


「大丈夫か?」

一歩近寄った天川智明の顔が歪んで見えた。
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