くるみさんの不運な一日

23:30『腕の中』

突然の事態に、思考が止まったのは一瞬だけで。


「ちょっとあんた何してんのよ!!」

すぐに我に返ったあたしは、抱き締める腕から逃れようと腕を突っ張った。


だけど男の力に勝てる訳もなく、がっしりとあたしを抱き締める腕からは脱出出来なかった。


正直、抱き締めてるってより、押さえ込んでるって感じ。


天川智明は力ずくで、あたしを腕の中に納めてる。


それでも。


「俺に惚れた?」
< 158 / 247 >

この作品をシェア

pagetop