くるみさんの不運な一日
「…………」

「当たり前に『沢岡さん』って言われても分からない事が悔しい! 天川さんの知り合いとか友達とか、あたし全然知らない!」

「…………」

「それが何だか好きじゃないみたいで、あたしちゃんと天川さんの事好きなのに、全然気持ちがないみたいで――」

「うん。分かった」

「分かってない!」

「分かったから」

「絶対分かってない!」

「分かったって」

「絶対絶対分かってない!」

「ちゃんと分かったから、顔見せて」

掛けられた優しい声に、ようやく隙間から顔を抜くと、泣きそうな顔で嬉しそうに笑う彼がいた。
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