くるみさんの不運な一日
「それも覚えてない?」

「……………………」

「水戸さん、相当激しか――」

「その部分は覚えてるから!」

これ以上、「その時」の事は恥ずかしいから触れて欲しくなくて、大きな声で遮ったあたしに。


「そりゃあんだけ乱れておいて、忘れたって事はないよな」

天川智明は意地の悪い事を言う。


一気に顔が熱を帯びた。


ボッて顔から火が出た気がした。


自分でも分かるくらいだから、当然天川智明にも、それは分かりやすく伝わったらしく、


「いいじゃん。俺、そういう女好きだし」
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