くるみさんの不運な一日
貰ってこいって言われたら、もう外回りに行ったって嘘吐けばいい。


最悪の場合のシミュレーションは完璧。


運が良ければ天川智明は、既に外回りでここにはいない。


そしたら預けた人に受領印を貰って戻れば、課長のお小言も聞かなくて済む。


うん。完璧。


これでいくしかない。


「失礼します」

小さな声でドアの向こうに声を掛け、開けたそこは『営業課』。


普段あたしが滅多に来る事がない営業課は――汚い。


何だろう。
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