くるみさんの不運な一日
「同じ服じゃ通勤出来ないとかさ。俺にはよく分かんねえけど」

「はああああああん!?」

「まあ、帰ったなら帰ったでいいんだけど、せめて一言言ってくれても――」

「あんたバカじゃないの!!」

廊下に響き渡る雄叫(おたけ)びに、天川智明の反応は早かった。


素早くあたしの口を手で(ふさ)ぐと、辺りを見渡し歩き出す。


半分引きずられて連れて行かれたその場所は、雑談のメッカ『給湯室』だった。
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