くるみさんの不運な一日
3人の中じゃ一番まともな生活を送ってるのに、さっきからこのふたりはあたしを憐《あわ》れんだ目で見る。


「まあ、とどのつまりが、『また』フラれたんでしょ?」

枝豆を引き千切るように食べながら、慣れた口調で話す朱莉。


「結局、『また』フラれた愚痴を(こぼ)したいだけだよね?」

鮮《あざ》やかな色の口紅が塗られた唇を、いつもの如く動かす一葉。


そんなふたりに、


「…………」

言い返せない、あたし。
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