イミテーションラブ
部屋に戻って、今日行った水族館のパンフレットを眺める。
今日のデート…
イルカや魚、クラゲとか色々見れて本当に楽しかった。
田崎涼介と二人で話題にも困らなかったし、そのあと行ったショッピングも、友達と行く買い物よりも充実していた。
歓迎会では気持ちが沈んでいた筈なのに、田崎涼介と過ごした1日で、すっかりそんな事は頭から離れていた。
田崎のおかげかも…
スマホを手に取り、田崎涼介にLINEを送る。
『今日はありがとう楽しかった』
メールを送ったらすぐに返信が来た。
『俺も楽しかった』
『送ってくれてありがと。また明日会社でね』
『ゆっくり休めよ』
『うん。おやすみなさい』
メールをやり取りしながら、明日も顔を合わせるんだなと改めて思った。
二人の関係は変わるのかな…
好きだって言われて嬉しかったし、田崎と過ごしたあの日の事は、私にとって忘れられない記憶になってしまった。
もしかして付き合ったりするのかな…
淡い期待と恥ずかしさで、動悸が早くなった。
眠る時にはなぜか田崎涼介の顔がやけにチラついていた。


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