仕掛けは会議室で
ギロッと効果音がつくほどの鋭い視線に、尻窄みになってしまい聞こえたかどうか定かではないが……。

フゥーと大きく息を吐く宮田に、全身が凍りつく。

「これは私の為ではなく、キミの為だね。僕がもっと甘い方が好きなこと彼女は知っているはずだと言われた」

「…………」

「山本にニヤニヤしながら言われた俺の気持ちわかるか?」

「……いえ」

「何で、アイツの好み知ってる?」

「それは、やま…」
「思わず、胸ぐら掴みかけた俺の気持ちわかるか?」

「えッ!?」

「アイツの口の中に押し込まれた、何だアレ、チョコ餅って言うのか?指突っ込んで取り出してやろうかと思った俺の………ハァ」

普段のクールさからは想像もつかないくらい饒舌で、急に頭を抱え込んだ宮田がかわいいなんて言っても許されるだろうか?

「部長、それ、嫉妬ですか?告白みたいです」

「なっ、、、」

ガタンと大きな音を立てて椅子から立ち上がり背を向けた宮田の耳は真っ赤だった。

「好きです、部長」

背中に告白すれば、

「こんな形で気付かされるとは、ね」

振り返った顔は夕陽と一緒に真っ赤。

「君が……好きだ」

宮田は照れ屋だった。
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