いつも貴方は側にいて…
秘めた想い

葵のデスクの一番下の引き出しには、綺麗にラッピングされたチョコレートが隠されている。切ない想いは、もう十分に詰め込んだ。あとは勇気を出して、これを渡すだけ…。

「専務、お時間です。これから『藤原先生を励ます会』へ出席します」

秘書の神崎から声をかけられて、葵は急いで引き出しを元に戻した。

社長の娘というだけで専務の役に就けられた葵が、神崎に出逢ったのは三年前。
スッキリと整った容姿。特にその目元はとても涼しげで、見つめられると吸い込まれそうだった。

「よろしくね」

葵が差し出した手に、神崎の手が重ねられる。クールな面立ちに薄っすらと浮かんだ神崎の微笑み…。それが、葵が恋に落ちた瞬間だった。

それ以来、〝名ばかり専務〟の葵に対しても、神崎は嫌な顔一つせず、働いてくれる。その仕事ぶりはその容姿同様にとてもクールで、寸分の狂いもない。
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