桜吹雪の中で


呼び出された場所は屋上だった。

「菜美ちゃん…」

「なに?」

苦手だから当たりも強くなっていた。
二学期がはじまってからも道流とは仲良くできなかった。

「菜美ちゃんさ、翼のことどー思ってる?」

ここで嘘をつけば
調子に乗ってしまうと思い強気に出た。

「小野くんのことは好きだよ。」

道流はムッとした表情になった。


「やっぱり!!

私も翼が好きなの。


まぁ、菜美ちゃんが好きなのなんかどーでもいい。

関係ないから!!」

「何が言いたいのよ!」

「私、文化祭の日に翼に告白するから」


え?…

小野くんを取られてしまうと思った。


「で、でも、いとこでしょ?
無理に決まってるじゃん!」

少しばかりの抵抗をした。

「へー知らないのね。
いとことか関係ないからね。

いとこ同士…

結婚してもね!!!」

「はぁ?!
結婚とか早すぎるから!!」


「まぁ、それだけ。だから手出さないでね。」



道流はそう言い、屋上から出ていった。


文化祭まで1週間。




私は道流の告白を聞き混乱していた。


怖い…

小野くんが道流のものになるのが怖い…




私は屋上に座り込んでしまった。

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