お前の唇、奪っていい?


月曜日ーー


「ほんっとにごめん!」


「まあ別にいいけどさ。ほら、お弁当箱も洗っといた」


「ありがとう!今度なんか奢る!」




この前スタジオに連れていかれた時、お弁当箱もカバンも学校に置いて行っちゃったから、
千紗が自分の家に持って帰ってくれてた




ほんと、千紗は優しすぎだよね!




「そーいえば、今日祐誠くんは?」


「あー、今日は朝からだって。学校は来ないらしいよ」


「ふぅん.....ん?ねぇ、舞。あの人知り合い?」


「え?.......っなっ!?」




千紗が指さす方を見てみると、
なんとそこには、あのコンビニの店員さんがいた


しかも、同じ制服で


まぁでも同じ学校にいるんだから当たり前か...




.....いやいや、そうじゃなくて!!


あの人、私たちと同じ学校に通ってたの!?




慌てて駆け寄ると、奥村さんは綺麗な笑顔でこんにちは、と挨拶をしてきた




「ちょっと先生に聞いて、来ちゃった!びっくりした??」


「同じ学校だったんだね...しかも...」




ちら、と彼女の胸元についているバッジを見る


これは、特進クラスのバッジだ...頭がとびきりいい人の証...




「あのね、今日はお願いがあってここに来たの。今日は祐誠くん、朝から撮影なのよね?」


「な、なんで...」


「ふふっ、あのね、言ってなかったんだけどあたしの祖父、
祐誠くんが所属している事務所の社長なんだぁ!」




.......ええっ!?!?


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