初恋のクローバー
「私も恋して可愛くなりたいよぉ……」
机の上に開いたままのファッション雑誌に視線を落とせば、さっきまで見ていた恋愛特集のページが存在を主張していた。
「あぁ、これを見てそんなこと言ったわけね」
「なになに〜……『恋をして可愛くなる!今ドキ女子の恋愛事情』…?
わぁ、すごいタイトルだねぇ〜」
「ここ……」
雑誌に目を通す2人に、私はあるページを指さして見せる。
「出会いランキング……1位、部活。2位、同じクラス。3位、共通の友達……」
「おかしい!!」
リカが指でなぞりながら読み上げた瞬間、私はうなだれていた顔を勢いよく上げて身を乗り出した。