初恋のクローバー


やっぱ、わざとらしかったかな?


無理に変えた話題に気づいた様子の2人に笑顔でウインクをして見せれば、2人も顔を見合わせてから笑顔で返してくれた。


「……よし!そろそろ帰ろっか」


「えっ!?まだ話の途中だろ!」


「ヒロが言いづらそうにしてるから、気をつかってあげてるんじゃん。ほら、早く帰るよ」


「う……それは……」


また恥ずかしそうに目を動かすヒロを無視して立ち上がると、2人も呆れたような笑みを浮かべながらカバンを持つ。


「あ、そうだ!これからアイス食べに行こうよ」


「いいね。ダブルで食べたい」


「私はカップ〜」


「ヒロは?」


「えっ!?あ、俺は、コーンのダブル……」


「あははっ、いーね!早く行こっ」


ヒロの答えに満足して教室から出た私は、あとに続いた2人がヒロに「「チキン」」と言ったのを聞くことはなかった。

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