初恋のクローバー


「おぉ、やってるねー」


夏休みも終わり間近のこの日、私たち3人は歓声が沸き上がる観客席に足を踏み入れた。


「ヒロ、何に出るんだっけ?」


適当な席に荷物を置いて座ると、隣に腰掛けたリカが尋ねてくる。


「200メートルの決勝。まだ1時間以上時間あまってるよ」


「結構余裕あるね。他の競技、見てようか」


「うん」


「涼しくてよかったぁ〜。これなら全然待てるよぉ〜」


反対側で微笑むミヨに「そうだね」と返してから、私はゆっくりと前を見据えた。

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