甘酸っぱい恋の味【LOVEドロップス企画参加作品】
「オレさ、早く結衣みたいになりたいんだよね」
「え?」
わたしみたいになりたい?
全然、言葉の意味が理解できなくて、隼くんを見た。
やっと止まった涙で少し隼くんの顔が滲む。
「うわ、ひでぇ顔」
「う、うるさいなー」
驚きながらも笑う隼くんに、泣かせたのは、誰よ……
そう、心の中で呟きながら口を尖らせる。
「結衣と初めて会ったときのこと、覚えてる?」
「うん、まぁ……」
わたしが忘れるわけない。
だって、あの時からわたしには隼くんがいる生活がはじまったんだから……。