コーヒーの薫りで
コーヒーショップ店員、原田美里

「いやっしゃいませ。なににいたしますか?」

「ホットで」

私が働くコーヒーショップは、病院内にある。

お客さんもいろいろで、お医者さん、看護師さんなど働いている方はもちろん、患者さんや面会の方、いろいろな企業の営業さんなどなど。
ここで働き初めて3年。もともと、コーヒー好きだったこともあり、今の仕事はとても楽しい。

「美里さんおつかれさまでした。」
コーヒーを、手渡される。
「おつかれさまです。」
毎日、その日の気分にあったコーヒーを買って帰る。それが私の日課。

今日の気分は、甘くてほろ苦いカフェオーレ。

今日来られたお客さんが、昔好きだった人によく似ていた。
私の初恋。
彼は今、どうしているのだろうか。
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