うちの奥さん 【短編】
そんな彼が、ある日とんでもない事を聞いてきた。




「俺が先に死んだら、どうする?」



最初に頭に思い浮かんだのは、全て彼に丸投げしている家の事や家計のこと。



いろんな契約や手続きが苦手な私は、彼がいなければ何もできない。



それを言ったら、あからさまに呆れられた。


あ、そこじゃなかったか。



うーん、と現実的に考えてみる。



嫌だ、考えなければよかった。
彼のいない未来を想像したら、涙が溢れてきた。




「あなたがいなくなったら、毎日あなたの車の助手席に座って、話しに行く。」




彼の愛車は、彼そのもの。


彼がいなくなったとしても、あの車は絶対に売りに出したり譲ったりはできない。


私はあの車を彼だと思って、残りの人生を共に過ごすのだろうと思う。


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