きみが虹を描いてくれた青空の下で

「麻酔事故も後遺症の腰痛も相当レアなケースみたいだけど、あたしはそんなリスクお兄ちゃんに負わせたくないんだよ。今までずっと我慢してくれてるお兄ちゃんが、これから先も我慢してかなきゃなんないくらいなら、それこそ死んだほうがマシ」


「……」


私、なんにも言えなかった。

八重ちゃんがわがままで移植拒否ってるなんて、考え違いもいいとこだったよ。

八起くんも、八重ちゃんが自分を思って、なんて考えもしなかったんだろうな。

< 89 / 120 >

この作品をシェア

pagetop