わたしのキャラメル王子様
2 ・悠君の男子力
「でもねぇ、年頃の女の子ひとり残してっていうのは実際ママも心配なのよね」



「だよね、普通そうだよね!」



ひとりじゃこの家は広すぎる。
夜中に物音とかしたら、私どーすればいいのかわかんない。絶対パニックになる。



でもパパのことも気になる。
パパはずっとひとりぼっちなんだし、身体の自由まで奪われてるんだもん。可哀想。



「……番犬として悠君置くか」



「えっ、俺?」



「無理無理!それはそれで困るって!」



あり得ないあり得ない。
マンガのなかでしかあり得ない展開だよそれ。



「ひとりよりはマシじゃない?ね、悠君。沙羅のこと任せて大丈夫よね?」



「うーん、別にいいけどさぁ」



「悠君!まず犬扱いされてることに腹を立てようか?」



「あっ、ほんとだ!沙羅ママひっでーの!」



なんだこの能天気!凄みのなさ!



「あとさ、ママの口車に乗せられちゃダメだよ。無理なら無理って言わなきゃ。ひとりの時間も大事だもんね?」



通うくらいならよくても、住むのは悠君的にも困るはず。だって私達、高校生の男女だもん!!
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