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「なぁ、芹奈先輩なんで来てねーの?」
朝一に晴馬先輩の教室に行き、机にうな垂れる先輩の前にしゃがみ込む。
「んあ?」
ダルそうに晴馬先輩が顔を上げると、「何でか知らね?」と俺は問いただす。
「風邪じゃねーの?体調悪いっつってたし」
「もう一週間じゃね?」
「あー…もうそんななる?」
「つかすげぇ他人事じゃね?」
「だって俺、芹奈に興味ねーし。家に行けよ」
「行った。誰も出ねーし」
「マジか。あー…アイツ。アイツに聞いたら分かるわ」
突然そう言って立ち上がった晴馬先輩は教室を出て違う教室に向かう。
そしてその教室を覗き込むように顔を入れ、「おい、麻友!ちょっと来い」そう言って手招きをした。
すぐに出て来たのは見た事のある顔。
ボブの茶色い髪を耳に掛けたその人も芹奈先輩と同様、物凄く大人な雰囲気をかもち出してた。
芹奈先輩といつもいる友達。
そしてその後ろにはもう一人、居る。ストレートの薄い茶色が肩の付近でサラサラ揺れる。
その可愛らしい顔が覗き込んだ。
「なに?」
「おー…っと、萌ちんは教室に行ってろ」
もう一人の萌と言う女に晴馬先輩は笑みを浮かべて肩を叩いた。
「えー、なんで?なんであたしが居ちゃダメなの?」
「うん。萌ちん居ると会話が乱れる」
「なにそれー!!ひどいっ、ねぇ麻友ちゃんひどくない?」
「いや、まぁ…アンタ居ると乱れそうな予感だわ。芹奈の事でしょ?」
俺が居るからだろうか。
麻友先輩は俺を見てすぐ芹奈先輩の名前を出した。
「おー分かってんね。ちょっと来いよ」
人目につかない所に晴馬先輩は足を進めて行く。
その後ろを麻友と言う人が歩き、そしてちゃっかり萌と言う人もついて来る。
俺はその後ろをゆっくりと歩いた。