檻の中の君、棺の中の貴女

〜悲しみと出会い〜

〜くるみsaid〜

「くるみちゃん、聞いてほしいことがあるの」

スマホの向こうから、震える声がした。

それは唯のお母さんからの電話だった。

わかりました、と言うと、唯のお母さんは少し黙ったあとにこう言った。

「唯が、死んだの」




気づけば呼吸を止めていた。

「冗談、です…よね?」

出てきた言葉はそれだった。
でもそれを否定するかのように、すすり泣きが聞こえてきた。

膝の力が抜け、座り込んでしまった私は何も言葉を発せなかった。


唯がーー死んだ?

静かに涙が頬を伝う。


LINEの唯のトーク履歴は、確か昨日で止まっていた。

どうして?なんで?急すぎる。
頭がパニックになる。


廊下からお母さんの声が聞こえたけど、返事をすることも出来なかった。

それから、その先のことはあんまり覚えてない。


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