壊れたフィルムと時雨時
(この声は・・・)
振り返らずに歩く。
「ねぇ、僕頑張るよ。脚本書くの。だからさ、千明ちゃんも写真のコンテスト、頑張ってね」
友達ですら知らない写真部の活動も知っていてる樹。こんな時間まで残っていつも頑張れって背中を押してくる樹。
樹は今どんな顔をしているだろうか?
(嫌いよ)
実は嫌いなのは樹じゃなくて、こうやって臆病で意地の悪い、私自身なんだと薄々知っていて気付かないように、
今日も鍵をかける。