4/28 -サクラソウ- 花のような君に贈る想い
家の前の道に車を停めた宮前に、和は深呼吸をしてから意を決して口を開いた。
「宮前さん」
「なんですか」
「実は、見ていただきたいものがあるのですが」
バッグの中から取り出したのは、小さいクロッキー帳だ。
スケッチブックより紙が薄くてページ数も多い、美大生やデザイナーには欠かせないあれだ。
「これなんですが」
渡されたクロッキー帳を、怪訝に思いながら開き、宮前は思わず目を瞠った。
一度ちらっと和を確認してから、他のページもパラパラとめくる。
パラ。ペラ。パラ。
パタン。
閉じたクロッキー帳を丁寧に両手で和に返してから、しばらくの沈黙。
………。
「ぐっ…はっ……ぐ、くくくっ」
ハンドルに突っ伏して、堪えきれないというように笑いだした。
その反応を予想していた和は、ひとまず宮前が笑い終えるのを待った。
待つこと、3分。
「結構笑い上戸ですね、宮前さん」
「…あー、腹いてえ」
お腹を抑えながら深呼吸をして、ようやく息のととのった宮前はぐったりと運転席にもたれ掛った。
「とりあえず、自分で絵が描けないというのは十分に分かりました」
「ご理解いただけて恐縮です」
和が頭を下げると、「くっ…」と笑い声が漏れた。
もう好きなだけ笑ってくれと思いながら、和は本題に入るべく前を見据える。
「絵本を、作りたいんです」
「…はい?」
「大切な人と、約束したんです。いつか、絵本を作るって」
懐かしい、紫陽花の季節の約束。
「宮前さん」
「なんですか」
「実は、見ていただきたいものがあるのですが」
バッグの中から取り出したのは、小さいクロッキー帳だ。
スケッチブックより紙が薄くてページ数も多い、美大生やデザイナーには欠かせないあれだ。
「これなんですが」
渡されたクロッキー帳を、怪訝に思いながら開き、宮前は思わず目を瞠った。
一度ちらっと和を確認してから、他のページもパラパラとめくる。
パラ。ペラ。パラ。
パタン。
閉じたクロッキー帳を丁寧に両手で和に返してから、しばらくの沈黙。
………。
「ぐっ…はっ……ぐ、くくくっ」
ハンドルに突っ伏して、堪えきれないというように笑いだした。
その反応を予想していた和は、ひとまず宮前が笑い終えるのを待った。
待つこと、3分。
「結構笑い上戸ですね、宮前さん」
「…あー、腹いてえ」
お腹を抑えながら深呼吸をして、ようやく息のととのった宮前はぐったりと運転席にもたれ掛った。
「とりあえず、自分で絵が描けないというのは十分に分かりました」
「ご理解いただけて恐縮です」
和が頭を下げると、「くっ…」と笑い声が漏れた。
もう好きなだけ笑ってくれと思いながら、和は本題に入るべく前を見据える。
「絵本を、作りたいんです」
「…はい?」
「大切な人と、約束したんです。いつか、絵本を作るって」
懐かしい、紫陽花の季節の約束。