彼のカノジョさん
彼のカノジョさん
「真崎さん、おはようございます」
「おはようございます、真崎さん」


我が営業企画部の朝は女性社員の甘い挨拶で始まる。挨拶の相手によって声のトーンが変わってしまうのはしかたないことだ。ちなみに課長には「おはよーございまーす」という一本調子だ。


「おはよ。朝からみんな元気だね」


甘い声の先にいるのは真崎 蓮さん。営業企画部、いや社内でも一位二位を争うイケメンさんだ。美男子というよりほんわかした優しい雰囲気のイケメンさん。身長も178㎝あり(社内ウワサより)スタイルもいい。細マッチョだという(見たことないけど)。


そんな見た目はバッチリの真崎さんは、もちろん仕事もできちゃうわけで。チームリーダーとして上司からも部下、後輩からも絶対の信頼がある。


だからモテない理由がないのだ。先の女性社員さんたちは我先に真崎さんを朝から囲い、私を見て見てアピールをするのだ。


「田辺、おはよ」
「あっ、おはようございます、真崎さん」


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