空を願って、海を望んで



しょんぼりする魚の姿を見て妖精は魚が可哀想になりました。どうにかして魚を元気づけたいと思った妖精は1つ思いつきます。



「そうだ!魚さん、僕と契約をしないかい?」


「契約?」



初めて聞く言葉に魚は青い瞳をキョトンとさせました。


力の強い妖精は気に入ったものと契約を結ぶことができます。契約は妖精が契約したものに力を与え、できる限りの願いを叶えることができ、その代わり契約したものは妖精に望むものを与えなければならないのです。



「でも私は君の望むものを与えられるかどうか…」


「大丈夫!僕が欲しいのは君の持っている鱗さ!」


「私の?」



魚は自分の体を見ます。特にこれといって珍しい色でも形でもない自分の鱗に価値があるのでしょうか。これなら他の魚の鱗の方が綺麗な気がします。


ですが妖精は否定して魚の鱗に宿る力のことを話してくれました。魚は自分の鱗にそんな力があるなんて全く知りませんでした。


ただずっと驚いて同時に自分の持つものでずっと憧れていた願いが叶うかもしれないことに嬉しく感じ、妖精にも望むものをあげられることに感謝しました。



「うん、私は君と契約をするよ!」


「本当かい?わぁ、嬉しいなぁ!」



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