愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
次の瞬間、視界に移ったのは俺の部屋の天井だった。
いつもの朝の光景だ。遮光カーテンの大きな隙間から朝の光が差し込み、今日が良い天気であることを感じさせる。

妙な夢を見た。
身体中汗びっしょりだし、疲労感を覚えた。
しかし驚くほどスッキリした感覚も同居している。

身体を起こそうとして、ようやく異常事態に気づいた。
俺の左隣が温かい。シングルベッドに転がったまま、ぎりぎりと顔だけ左に巡らせ、俺は凍りついた。
否、叫び出しそうなのを慌てて止めた。

雫が俺の隣で眠っていた。

愛らしい瞳を閉じ、布団から覗く素肌の肩を上下させている。
……素肌!?

雫の髪がシーツに散り、うなじから背中のラインにも衣類は見えない。
雫が俺の隣で眠っている。裸で……。

ハッとして我が身を顧みれば、自分もまた羽毛布団の下は何も身に着けていなかった。
さあっと血の気が引く。

金曜に俺は倒れたのだ。雫が苦心して病院に連れて行ってくれ、土曜は丸一日看病してくれた。仕事だったはずなのに、出番を代わってもらったのだろう。迷惑をかけている、申し訳ないと、もうろうとした意識で何度も思った。

それからどうした?

とにかく眠った。身体を回復させようとする本能だろうか。ほとんど意識がなかったような気がする。
ずっとそばにいてくれた雫が愛しくて。
感謝と止まらない愛情を感じて、そして……。

彼女を布団に引き込んだ……。
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