愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
めでたく両想いになり、身も心も結ばれた私たち。結婚式をやり直したいって言ったのは私の方で、高晴さんは私の我儘に応えてくれた。

だって、前回のお式って今にしてみれば本当に形ばっかりだったなぁって反省しちゃうんだもん。そりゃ、家族に花嫁姿を見せられたのはよかったけれど、高晴さんと私のためにどうしてももう一度誓い合う時間が欲しかった。完全な自己満足だとしても。

「私って、形から入るからなぁ」
「ん?なに?雫」

ひとり言に律儀に反応してくれる高晴さんを見上げ、私はにーっと笑った。

「ところで帰ったら、今日から新しいアニメシリーズ見ようね」

ちょっと前まで見ていたアニメのDVDは最後まで見終わってしまい、私オススメの次のアニメに入る予定なのだ。今日の午後は丸々暇だしちょうどいいタイミング。

「いいよ。この前の作品はラストが涙涙で辛かったからなぁ。次は少し穏やかな方がいいんだけれど」

前回のアニメはラストシーンで主人公が死んでしまったんだよね。私がわんわん泣く隣で、めずらしく高晴さんが鼻をすすっていたことを思いだす。可愛いから、つっこまずに横目で見てたんだけどね。

「安心して。次はギャグアニメだから。好き嫌いあるかもしれないから心配だけど〜」
「雫の趣味なら、どんなものでもチャレンジするよ」

あら、優しいお言葉。うちの旦那様って本当にできた人だなぁ。このまま、どんどん私の趣味に付き合ってもらおうっと。

すると、高晴さんがふと手を伸ばしてきた。私の頰に触れ顔を近づける。
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