愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
私がにまにましているので、徳島先輩がふうんという顔になる。

「やーらしい顔してるわねえ。やだやだ、新婚って」
「徳島先輩だって、一昨年はこんなだったと思いますよ!」

徳島先輩は一昨年前に結婚している。ちなみに彼女は社内では旧姓で通しているので、部署が違えば彼女が独身だと思っている人も多い。美人だからいまだにモテるけれど、ご主人ひと筋なんだよね。
徳島先輩は、フルタイムで働く奥様としても先輩だ。

「市川……じゃなかった。榊……、ああまだ呼び慣れないわね。あなたがこんなに急に結婚するとは思わなかったわ。結婚なんて興味なさそうに見えてたもん」
「そうですか?こう見えて、いい奥さんしてるんですからね!」

私は胸を張り、同時に徳島先輩鋭い、と思う。
確かに結婚に興味はなかった。まったくと言っていいほど関心がなかった。

「なぁんか様子見てると、ご主人とも超円満って感じだわね。マイペースなあなたとウマが合うのかしら」
「かもしれないですね~。円満です〜」

マイペースね。
上司や同僚の私への評価は、『仕事はきちんとこなす』けれど、『マイペース』『のんびりおっとり』だ。
我儘で独善的なのではなく、ひとりで黙々と仕事をするイメージみたい。こだわりが少なく主張より協調を取るので、周囲と軋轢は少なく、私と勤務するのはやりやすいと思う同僚が多い様子。

出世主義の同期からは「あれは作戦。評価をあげるために媚びてる」なんて陰口をたたかれたこともあるけれど、彼女たちは決定的に間違っている。私は評価をあげたいんじゃない。

休日を余すところなく趣味に使うため、面倒事にならないように生きているのだ。
その結果がマイペースでおっとりなのだ。
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