愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
お参りしたのは、もちろん仕事と趣味のことだけど、今回はちょこっと付け足し。『家内安全』
私と高晴さん、ふたりでお参りに来てるんだしね。一応ね。
おみくじは私も高晴さんも中吉だったから、まあまあだと思う。

神社から出ると高晴さんが私に向かって手を出している。

「なに?」
「これを、よければ一緒に持ちませんか?」

高晴さん、敬語になってる。手渡されたのは寄木細工のお守りだった。いつの間に買ったんだろう。
『和合御守』とあり『なかよしまもり』とルビがふってある。赤と青の紐がついていて、ふたつで一組になる仕様だ。これをそれぞれ持って仲良くありましょうことかな。
考えがまとまると、かーっと顔全部が熱くなった。

「私でいいんでしょうか」
「……雫さんと持たないと意味がないでしょう」

殺し文句だ。
高晴さんは私と揃いの御守りを持ちたい。そしてそれは末永く一緒にいられますようにって意味合いの御守り……。
言葉じゃないけど、私のことやっぱり大事に想ってくれてるんだ。家内安全、お祈りしてきてよかった。
御守りがすごく嬉しい。だけど、恥ずかしくて言葉にならない。

箱根湯本までのバスの中、私たちはすっかり無言になっていた。
気まずいというか、くすぐったい感じ。この旅の最初に感じた感覚とはまた違ったいたたまれなさだ。

私は御守りに紐を通し、青い方を高晴さんに渡し、赤い方を自分の定期入れにくっつけた。

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